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  かつて一橋高校で教鞭をとられた先生方と、教え子の卒業生が出版した著書を紹介するコーナーです。
これらの本はできる限り入手し、一橋高校の一階図書室「柏葉文庫」の特別コーナーに寄贈しております。
寄贈されたこれらの本は200冊を越えました。

 



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☆佐藤 文夫(6期1組)(ペンネーム 楠 文夫)著 
 「文房至寶 (硯・墨・筆・石印)」 2013年1月発行
   河出書房新社 12000円


  中國文人文化の道具としての文房用具の主役、中國五千年にわたる硯、唐墨、唐筆、技巧の繊細をきわめた素晴らしい石印、水滴・筆覘などを紹介した写真集です。
【特徴】
●著者が60年近くにわたり収集した「文房至寶」のコレクションの中から選りすぐった450点余を、著者自ら撮影した700枚を超える写真で紹介。
●旧石印はその本来の美しさを損なわずに伝えるためにすべて原寸で掲載。
●水滴、筆點、その他の周辺道具類も可能な限り原寸で掲載。
●中國硯に関しても可能な限り原寸で掲載し、硯の表面だけでなく背面、側面や硯拓も必要に応じて紹介。
●特に硯に関しては、著者が中國の主要産地を訪ね原石を調査し、中國硯の事実を科学的にも解明し、実証を欠いたこれまでの硯説の誤りを正しています。

著者は60年近くにわたり「文房至寶」の収集、研究に携わり、平成2年、「硯の資料室」を設立、現在室長をする傍ら、東京藝術大学、大東文化大学、岩手大学などの教壇に立っています。
テレビ東京「なんでも鑑定団」には度々出演されています。
他に著書『古硯』があります。

 


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☆平岡敏夫先生(元国語教諭)著 
「明治」 2006年9月発行
  思潮社 2310円

  はくよう紙28号と29号で紹介しました「塩飽」(しわく)「浜辺のうた」につづく詩集です。
江戸から明治へ、戊辰戦争、明治文学、漱石と平岡先生ご自身のこと、太平洋戦争、塩飽の浜などが、微妙に重なり、前二作の詩集を拝見したあと読むと余計に興味を惹きつけられます。
間には、ロシア、アメリカ、ノルウェーの思い出が細やかな観察で綴られています。
  先生は1930年生まれ。14歳の時、航空学校に入学し翌年終戦を迎えました。
その後東京教育大学大学院博士課程修了後1959年(昭和34年)から6年間一橋高校で教鞭をとられました。
その後は横浜国立大学教授・筑波大学教授・群馬県立女子大学学長・日本学術会議会員。日本大学芸術学部講師、ソウル、台北、北京、上海、バンコック、アメリカなどの客員教授などを経て、現在筑波大学の名誉教授を務めています。

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☆平岡敏夫先生(元国語教諭)著 
「もうひとりの芥川龍之介」 2006年発行
  おうふう 2800円

  先生は北村透谷、芥川龍之介、森鴎外、夏目漱石の研究で著名ですが、2006年(平成18年)11月3日には「瑞宝中授章」を叙勲されました。
昨年の3月10日には、我が校で担任をした第13期5組の卒業生が一橋の如水会館でお祝いの会を催しました。




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☆田村勇先生(元国語教諭)著
「海の民俗」 1990年発行
  雄山閣 2242円

 田村先生は1936生まれ。
この著書は一橋高校で教鞭をとられていた時に、書かれたものです。
古い本でしたが、やっと入手することが出来ました。
以後の著作「海と島のくらし」「海の文化誌」「塩と日本人」の出発点になった作品です。


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☆田村勇先生(元国語教諭)共著 
「女装の民俗学」 1994年発行
  批評社 2750円

 田村勇先生は国語科の先生として、1985年から1997年まで13年の長期間、一橋高校に勤務されました。
この女装の第一号は「日本書紀」や「古事記」に、ヤマトタケルの、熊襲退治のエピソードに出てくるとのことです。
この古くて新らしい女装という風俗について先生はこの著書のあとがきで、『女装は、表面的には社会通念に反するものとして、見られてきた。
しかし人びとの深層にひそむ女装願望は、意外にひろがりのあることが指摘できる。 日本文化の中に於ける女装は、精神的女装も含めて、恐らく日本固有のものがあり、日本文化の本質に迫り得るテ―マである。
(中略)
祭の場での神との交流は、女装する少年や青年たちが、神そのものの役割を果したり神に仕える者として女装していたのである。 女装は神を祀るときの聖衣だったのである』 と。
以前に紹介した、先生の著書は、「海の民俗」「環境の民俗」「東北の民俗・海と川と人」「海と島のくらし」「塩と日本人」「サバの文化誌」など海に関しての著作でしたが、ひと味違った作品になりました。



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☆野村敏夫先生(元国語教諭)著 
「国語政策の戦後史」 2005年発行
  大修館 2400円

  一橋高校の10年間を著した前作「言葉と心が響きあう表現指導」につづく第二作目の著書です。
51才の若さで亡くなられ、大変に残念です。






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☆伊平保夫先生(物理)著 
「校長1461日」 1990年発行
       伊平先生を囲む会発行 非売品
「実践教育工学」 1996年発行
       東京法令出版 2000円

伊平先生は1957年〜1967年までの11年間母校一橋高校で教鞭をとられ、都立西高校に移られた後は、教育庁に長く勤められ、その後深川高校で校長に就任されました。
これまでに執筆された著書は数多く、今回は2冊を紹介いたしましたが専門の「物理学」ばかりでなく幅広い教育分野に亘った学術書を著しておられます。



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☆岡村忠典先生(元体育教諭)著
「百歳までの剣道」
    生涯剣道は、いがっぺよ。 2006年発行
  体育とスポーツ出版社 2520円

 岡村先生は1937年生まれ。
我が一橋高校では1978年から1988年まで勤められました。
「百歳までの剣道」は5年振りの出版で、「?啄同時」(1998年島津書房)、「剣の道、人の道」(1999年ベースボールマガジン社)、「円相の風光」(2001年体育とスポーツ社)につづいての著作です。
 今回の本は、著者と剣道との出会いと、その後の剣道との関わりが綴られています。
「百歳までの剣道」というより「百歳まで、健康に生きる」ことが目的で書かれたのではないでしょうか。
著名な書家でもあり一橋高校で書道の教鞭をとられたこともある村山英隆(臥龍)先生とのエピソードも挿入されています。
岡村先生は、定年後63才にして難しい八段の昇段試験に合格し、東海大学講師、全国高体委員会専務理事を経て、現在は剣道界の中心として、全日本剣道連盟常任理事の傍ら、千葉商科大学師範、日本武道館武道学園講師として活躍中です。



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☆上里 和子先生著 
歌集「夜空のオブジェ」 2007年4月発行
  短歌研究所 2500円

  1991年発行の「利休梅」につづく2作目の歌集です。
先生は「88年間も私は何をして来たのだろう。子供が独立し、夫を見送り、私には何もなくなった時、短歌という世界が残されていたことに気づきました。」
と述べられていますが、中身は400首余りの明るい歌で占められています。

 


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☆堀 喜恵子先生(事務)著 
「渡良瀬遊水地」 
  短歌新聞社 3000円

  歌集「巴波」「海鳴りの丘」につづく第三歌集です。
自然に恵まれた、栃木県大平町で趣味の講座、ボランティア活動で「おおひら短歌会」を主宰して17年経ちました。
この歌集は、冷たい強風のなか、広大な渡良瀬の貯水池を、一望した時の感動が忘れられず折々出掛け、短歌を詠んでおられます。




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☆堀 喜恵子先生(事務)著 
「おおひらX」 2006年発行
       おおひら短歌会発行 非売品

  堀先生は一橋高校で勤務後NHKに勤められ定年後、栃木県大平町に移り住まわれました。
大平町では平成4年(1992年)町の広報誌に「短歌への誘い」の呼びかけをされ、おおひら短歌会が発足しました。
その短歌会は今年で15年を迎えて記念の「おおひらX」の発刊となりました。
現、鈴木俊美、大平町長から「美しい自然環境と恵まれた生活環境の中で、自然や人生の詠嘆を詠み続けておられる『おおひら短歌会』が今後も大平町の文化活動サークルの中心的存在であって欲しいと思います。
「おおひらX」の上梓にあたり、今後のおおひら短歌会益々のご発展と会員の皆様のご健勝を心から、ご祈念申し上げます。」とお祝いの言葉が掲載されました。
堀先生は短歌会の中心として7冊の合同歌集を出版しています。



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☆藤城智恵(6期)著 
 「聖坂(ひじりざか)」 2009年発行
   本の泉社 1800円

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  同窓会会計担当の藤城智恵(6期)さんが小説を出版しました。
その記念に平成21年5月17日(土)に東京グランドホテルにて祝賀会が開催され総勢135人が集まりました。
  藤城さんは、管理栄養士の資格を持ち、日本赤十字病院勤務を経て、飲食店経営を始めました。
また「和」の達人でもあり日本舞踊、三味線、民謡など何でもござれの方です。
粋で気っぷがよく、その上面倒見が良いと三拍子そろったお人柄です。
  この日以外にも2ヶ所でパーティーが開かれたそうで人脈の広さが伺えます。
  小説「聖坂」はご自身の経験から取材して、小説仕立てにするためにかなりデフォルメをしています。
  藤城さんご自身を含めた独身女性が一人生き抜いていく時、哀しいけれど美しい姿勢、美しさの中に光る知の輝きにも魅せられて筆を執ったそうです。

 


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☆九野民也(8期)著 
句集「あるがまま」 
  編集工房ノア 2100円

  この本の「あとがき」に、この本を書くきっかけになった3人の人達がエピソードとして書かれています。
ひとりは他のクラスの女生徒で、ふたりの方は一橋高校の先生でした。
『高校時代、父親を憎んでいた。 母親が死んだ直後、生活指導の先生のところに相談に行った。
「家を出たい」と相談したところ「こんな家に二度と帰るもんかなんて、捨て台詞をはいて出ちゃだめよ。
ちょっと気分転換のためなんだから直ぐ帰らせてもらいますって、気持ちよく帰れるようにして出るのよ。
いいわね」と、川崎文先生(註・英語教諭・昭和25年から昭和46年まで)だった。
  もうひとりの先生は、担任の先生で野田義雄先生。(註・社会科教諭・昭和25年から昭和36年まで)
中野のお宅に相談に伺った。 暑い折で梅酒をいただいた。
とつとつとした話から、先生の少年時代の家庭は私の場合と同じ状況だった。
先生の温顔と私の父親の顔がダブッて見えてきた。
  家を出た先は他のクラスの女生徒の家だった。
すぐに野田先生に二人とも呼ばれ、「好きあうんじゃ無いぞ」と釘をさされた。
「大丈夫です。 私には別に恋人がいますから」 彼女はそう答えたけれど、毎晩大森の家の近くの神社の境内への散歩に誘いだすのであった。
少しずつ私の心は慰められていたに違いない。
  父親の立場を思いやることのできなかった私自身、ひねくれているうえに、醜い毒虫そのままの私白身に気がついた。
「あるがまま」のすべてを受け入ることを悟った。
わたしの復活に拘わってもらえた3人の人達である』


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☆九野民也(8期)著
「パリ・暖炉のある部屋で」
    フランス俳句紀行 2003年発行
  角川書店 2310円

 「海の方に出たいという気分であるけれど、海への交通手段はあるだろうか。気持ちが定まらないで、ウロウロオロオロという感じ」1993年11月から5ケ月間の、フランスひとり旅とパリ滞在日記です。

 



 

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☆九野民也(8期)著
「掌の随筆」 2006年発行
    編集工房ノア 2100円

 著者の奥様、九野礼子様よりお便りを頂きました。
残念乍ら2005年4月,亡くなられたとのことでした。
「この本は生前より民也が計画していたものですが、出来上りを見ないで逝ってしまいました。」
 文中には、南河内の自然、旅の思い出、パリ滞在のことなど。「青春時代の思い出がいっぱいつまっています。」とのことです。
ご冥福をお祈り申し上げます。

 


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☆高山俊吉(9期) 著 
「裁判員制度はいらない」 2006年発行
  講談社 1365円

 「道交法の謎」「自動車事故の弁護」「分析交通事故事件」など交通関係の著作を、以前紹介してきましたが、今回は1年後にスタートする「裁判員制度」についての本を紹介します。
著者は東京大学法学部卒、東京弁護士会所属。
「裁判員になりたくない」と言う声が7割にも達するこの法律について海外の制度も紹介し、いろいろな矛盾を説いてゆきます。
  特に裁判員制度反対の特別寄稿が印象に残りました。

  さだまさし「信号も守れない人に裁かれたくない。法律知識のない国民のなかから選ばれた人も困ることでしょう。」

  嵐山光三郎「私は人生相談が苦手だ。頼まれても、みんな断っている。他人がどう生きるべきかなんて簡単に指示できない。素人にできることとできないことがある。」

  崔洋一「私がいま所属している日本映画監督協会と言う団体には痛苦の歴史がある。太平洋戦争中、国策の名のもとに戦争協力映画を作らされた。時の流れは自身に危機が及ぶことを恐れ日本の映画監督は、この時代に大きく傷ついた。映画の都、ハリウッドでも1950年マッカーシズムが襲った。お上が心に踏み込む時代がやってくるようだ。」



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☆佐野直哉(11期)共著 
「こころを癒す音楽」 2005年発行
  講談社 1890円

 カウンセリングのひとつの方法として、音楽療法があります。
この本の著者は、臨床心理学者として、佐野臨床心理研究所を主宰する傍ら、明治学院大学心理学部教授として、教鞭をとっています。
はくよう紙上では毎号お馴染みですので、ご記憶の皆様も多いと思います。
 佐野氏の他にも30名余の精神科医や、心理学者が短い文章を寄せていますが、驚くことに彼ら専門家は全て音楽が好きだと言うことです。
そのジャンルも、ポップス、ジャズ、クラシック、ロック、歌謡曲、演歌、ニューミュージックなど巾広く、またある特定の臨床家、臨床医、看護士百数十名にアンケートをとったところ、全体の55%が、楽器を演奏でき、カラオケが嫌いとの答えは17%だったとのこと。
 因みに彼ら専門家が自身、どんな曲に癒やされるかの答えも大変に興味深く読むことができます。
   二十代の専門家、関係者
     1位 「夜空ノムコウ」
     2位 「レット・イット・ビー」
     3位 「マイウェイ」
     4位 「チェリー」
     5位 「TSUNAMI」
   三十代
     1位 「ショパン・別れの曲」
     2位 「花」
     3位 「レット・イット・ビー」
     4位 「カノン」
     5位 「G線上のアリア」
   四十代
     1位 「レット・イット・ビー」
     2位 「イマジン」
     3位 「バッハ・無伴奏チェロ組曲」
     4位 「明日に架ける橋」
     5位 「上を向いて歩こう」
   五十代以上
     1位 「川の流れのように」
     2位 「コンドルはとんで行く」
     3位 「風」
     4位 「いい日旅立ち」
     5位 「赤とんぼ」

などほとんどの音楽分野に亘っており紙面の関係で割愛した10位以内には「四季」「ノクターン」「モルダウ」「月光」などクラシック音楽も多く含まれています。
 また、この集計はほんの最近のことで、いくら専門家の集まりとは言えビートルズやフランク・シナトラの歌が入っていたのには吃驚しました。
 カウンセラーや精神科医の仕事はよく患者の話を聞くことにあると言われています。
 そして患者は、音楽を聞くことによって「ヒーリング」癒しの効果があり、その専門家達も音楽によって日々、癒されると言う、その効果が、様々に語られています。
 「戦争を知らない子供達」でヒットし、1971年レコード大賞を受賞した精神分析医、北山修氏が全体を編集しました。


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☆佐野直哉(11期)共著
「カウンセリングの展望」 2005年発行
    ブレーン出版 4830円

 精神分析的カウンセリングの面接に於けるクライアント(患者)との臨床例をもとに「今、カウンセリングの専門性を問う」という題材で、何人かの専門医が、共作しました。
 著者は山梨県の精神病院に25年勤務し、その後静岡県三島市で心理療法クリニックを開業し、傍ら明治学院大学で教鞭をとっています。
 個人心理療法のほか、集団心理療法、サイコドラマ、音楽療法、絵画療法、など多岐に亘っています。

 


maezawa1.jpg maezawa2.jpg ☆前澤征男(13期)著 
 「前澤征男 作品集」 2005年発行
      真理舎  6,000円

13期2組の前澤征男君の画集を紹介します。
リトグラフの作品を多く手がけた前澤君は、平成14年6月に57歳で逝去しました。
3年後に銀座地球堂で遺作展が開催されて、作品集制作実行委員会により作品集が刊行されました。
発起人には13期飛岡健、仲澤鋭一、橋本敏次、東向達彦、深井美佐子さんなどが名前を連ねている。



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☆石渡洋一(ペンネーム:大田健)(13期)著 
 「弧悲」 2008年発行
      三省堂

13期5組石渡洋一君が、大田健のペンネームで詩集『弧悲』が三省堂から昨年出版されました。
一部紹介します。

『今日を生きる』

  精一杯の努力をして
  今日を生きる
  悔いを残さず 明日を頼らず
  今日を生きる
  人間死ぬ気になれば何でも出来る
  今日を生きる
  一分一秒魂こめて
  今日を生きる
  明日 来年 十年後
  先のことは神だのみにして
  今日を生きる
  俺に出来ることは
  俺のしなければならないことは
  ただそれだけ
  今日をいかに生きるか
  ただそれだけ

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石渡洋一君の紹介
 1994 年東京神田生れ
埼玉大学理工学部卒
市光工業(株)(自動車部品メーカー)54 歳退職
埼玉県栗橋町にて独居詩作著作に専念

 一橋高校の先生や、先輩に紹介されて「潮派詩派」なる同人誌に加わったのが詩作活動のスタートだそうです。
 昨年、同期の事務局員宛に「遺言書代わりに」と送られてきた詩集です。

 


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☆青木宏一郎(13期)著
「江戸庶民の楽しみ」 2006年発行
  中央公論新社 2940円

 2年前の「はくよう28号」では、「明治東京庶民の楽しみ」を紹介しましたが、今回紹介の「江戸庶民の楽しみ」「大正ロマン東京人の楽しみ」で三部作になります。
 現在の日本は階層化が進み貧富の差が出てきたと言われています。
この本の舞台の江戸時代も身分制度が固定しましたが、身の回りにいつも何かしら遊びのタネが転っていたとのことです。
遊びに対する彼らの並外れた熱意に感嘆し、紹介しています。
著者は本来は造園学専攻の造園家で「江戸の園芸」「江戸のガーデニング」などの著書があります。

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☆青木宏一郎(13期)著
「大正ロマン東京人の楽しみ」 2005年発行
  中央公論新社 2940円

 「大正時代は、明治と昭和の間のごく短い期間であったせいか埋没してしまって注目されることが少ない。
しかし,市民が輝きを持っていたという意味では、明治や昭和よりも格段と勝っていた時代である。
大正時代は第一次世界大戦の特需によって好景気だった。」・・・・・で始まる大正のよき時代を考察した秀作です。





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☆青木宏一郎(13期)著
「明治東京庶民の楽しみ」 2004年発行
  中央公論新社 2940円

  これら3冊の本は、一橋高校の場所や人と何かしら縁がある。
「江戸庶民の楽しみ」の「はじめ」は母校から400mくらいの所にあるお玉が池付近のできごとから書き出している。
「明治東京庶民の楽しみ」も、両国橋詰、須田町、浜町、鳥越神社など一橋高校の近隣が舞台となる。
「大正ロマン東京人の楽しみ」は、森鴎外の日記などをもとに、大正時代の庶民の娯楽について書いたものである。
鴎外研究の専門家である平岡先生の本「森鴎外不遇への共感」も参考にしているが、先生とは違う視点、つまりガーデニングや鴎外一家の行楽活動などを記している。
また、鴎外の作成した花暦や日記から、彼の生活や人となりをあぶりだそうと試みている。



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☆飛岡 健(13期) 著 
「上島洋山の世界」 2002年発行
  北国新聞出版局 2000円

  『能登の海藻を地染めに使い、何色もの糸を1本1本織り込む独自の能州紬を創始した着物作家・上島洋山。
常に新しいものを追い求める彼のひたむきな努力に洋山の世界を見る』。 「本と著者の紹介コーナー」では常連の筆者です。




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☆飛岡 健(13期)著
  「野村克也と極秘の兵法」
     2003年発行
      ごま書房



  「哲学者たちは何を知りたかったの」
     2004年発行
      河出書房





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☆室町澄子(15期) 著 
「東京ぶらり旅」 2000年発行
  小学館 1365円

 一橋高校を昭和40年卒業後、東京女子大学を経てNHKに入社。
アナウンサーとして、「スタジオ102」「趣味の園芸」「女性手帳」「7時のニュース」「小さな旅」などを担当。
現在はラジオセンター・チーフディレクターとして「ラジオ深夜便」を製作する一方、木曜日のアンカーも努めている。
 この著書「東京ぶらり旅」は、著者のアナウンサーとしての取材を本にまとめたものと思われ、その軽妙な語り口は永六輔氏や、小沢昭一氏の「小沢昭一的こころ」に匹敵すると評価できます。
しかし残念乍ら、卒業以来、一度も一橋高校には、お見えになっていないと聞いています。
 さて、肝心な著書の内容ですが題名のとおり、東京の街歩きの紀行文でもあり、風物人情の写生の記録でもあり、今後ともまだまだ本が書けるのではないかと思います。
二冊目、三冊目の本を期待して止みません。
 (注・室町澄子様の住所が不明の為ご存知の方は同窓会事務局までご連絡を願います。)



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☆服部善之(21期)著
 「生活に宗教をとりいれて幸せな人生を」 2006年発行
      聖印刷

 6年前の著書「こころをなくした現代人へ」文芸者刊に引きつづいて2冊目の著作です。
平成元年から平成8年まで、若者向け情報紙月刊「YG」編集長を務める。
数多くの作家、ジャーナリスト、大学教授、宗教家などへのインタビュー取材を通して、人生の生き方について学ぶ。
生きること、家族のこと、宗教について考えさせられる本です。




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☆赤塚広隆(22期) 共著 
「破壊事故」失敗知識の活用 2007年7月発行
  共立出版

  ものを作る「工学」と「技術」の世界。
そして「破壊」の問題は表裏一体にあるという。破壊は技術を支えてきた。
そのコントロールによって技術の進歩は飛躍的になる。
  ジェット旅客機、打ち上げロケット、原子力発竃、船舶、などの他様々の分野でそれぞれの専門家が、「破壊」について書いている。
著者は、高圧ガス保安協会に所属し、高圧ガス関連の破壊に関する執筆を担当している。
興味深い内容ではあるが、かなり専門的な著書である。