スクールカウンセラーの活動

一橋高校スクールカウンセラー  小松 賢亮

komatsu.jpg ひとは生涯を通じて変化・成長していきますが、なかでも高校時代は子どもから大人へ、身体的にも心理的にも大きく変化を遂げる重要な時期です。
よく「ムズカしいお年頃」と彼らのことをいいますが、まさにこの時期の彼らには幾多の「ムズカしい」試練が散乱しています。
将来の不安感やいらだち、親に対する微妙な気持ちなど、私たちもあの頃、今の彼らと同じような想いを抱いていた気がします。
「疾風怒濤の時代」と評されるこの時期は、ひとが大きく成長する時であり、またこころのバランスを崩し病気として現れる可能性も高くなる時なのです。
このようにただでさえ乗り切ることが大変な高校時代ですが、本校は都内でも数少ない単位制の定時制・通信制高校という特色から、他校に比べて様々な問題を抱えた生徒がいます。
中学から不登校の生徒、経済的理由で働きながら通学する生徒、障害やこころの病を抱えている生徒など在籍しています。
そのような特色のある本校に、現在(昨年9月〜)、臨床心理士である3名のスクールカウンセラーが、生徒、保護者、教職員への相談業務をしています。
東京都から派遣された福島先生と、本校第11期卒業生である佐野直哉先生からのご紹介によって同窓会から派遣された印牧先生と私です。
カウンセラーは、通常、都立高校に週に1日1名派遣されますが、本校では週に3日3名が勤務しています。
これは他の都立高校に類を見ない充実した相談体制が整えられていると言え、生徒への心理的なサポートに深くご理解と熱意を持っておられる村越校長と同窓会からのご支援によって実現しております。
今回はこの場をお借りして、その相談支援活動を少しだけご紹介させていただきます。
これまで私が担当した相談数は約130件、1日2〜5名の相談者が生徒相談室に訪れました。
多くは生徒ですが、その生徒の対応を保護者の方や先生がたとともに検討することもありました。
生徒は相談室の存在を知っていますが、直接訪れることは少なく、保健室の養護教員を介して相談に来ます。
週1日しか学校におらず話したことのないカウンセラーに胸の内を打ち明けることは、相当の勇気が必要なのです。
一方、生徒にとって保健室は「こころの居場所」で、養護教員への信頼は厚く、また養護教員は学校生活の場での生徒の状況を非常に理解しています。
それゆえ、私は相談の予約が入っていない時、しばしば保健室にお邪魔して、学校や生徒の状況を教えてもらい、またその場で生徒に私を紹介してもらいます。
いわば保健室と養護教員は、生徒と私たちの架け橋となっているのです。
そのような流れで相談室に訪れた彼らは「友達や恋人とうまくいかない」「進学したいけど、どうしたらいいか」「このままだと不登校になってしまう」など様々な悩みを語ります。
守秘義務の関係で、ここで多くをお話しできませんが、それらの悩みの一つひとつが、一人ひとりにとっておざなりにできない大きな意味を持ったものばかりでした。
私はそんな彼らの語りに耳を傾け、助言をし、そしてその相談室での彼らのありようを先生がたと共有し、生徒にどのような対応が望まれるかを話し合います。
すると、彼らはある時、私が想像していた以上に成長した一面をちらっと見せてくれます。
今まで人に頼まれても断れず、自分の気持ちを相手に伝えられなかった生徒が、恋人や両親に「正直に(自分の気持ちを)言ったら受け入れてくれた」などと報告してくれるのです。
乗り越えるべき試練を前にした彼らに、私たちはたいしたことはできません。
しかし、空へと伸びようとする茎が折れぬよう、私たちは一時期の添え木として、これからもその姿を見守っていきたいと思います。
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カウンセラーの活動報告

一橋高校スクールカウンセラー  印牧 初姫

kanemaki.jpg 一橋高校同窓会の皆様、こんにちは。
私は、昨年9月からスクールカウンセラー(以下SC)としてお世話になっております、印牧 初姫(かねまき さゆり)と申します。
平素は、SCの活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
この度は、SCの活動についてご報告させていただく機会を頂きましたので、私の日頃の活動について、また、スクールカウンセリングの必要性などについてお話したいと思います。
 まず「SCの活動」についてです。
“カウンセリング”というと、皆様はどのようなものをイメージされるでしょうか?
多くの方は、「相談室で悩みがある人の相談を受ける」といったことを想像されるかもしれません。
もちろん、“相談室での相談”はSCの重要な活動の一つですが、 “スクールカウンセリング”では、他にも多様な活動が含まれます。
以下、私の活動を通してお話したいと思います。
昨年からの活動を思い返しますと、相談室には、定期的にお話に来られた生徒さんもいれば、1回〜数回だけ来られた生徒さんもいらっしゃいました。
相談内容は、自分自身のことや、対人関係、家族のことなど様々で、同じ生徒さんでもその日によって話すテーマが違う場合もあります。
“相談室での相談”という形でなくとも、保健室に来室する生徒さんとお話することもあります。
その場合は近況や世間話といった感じも多いですが、悩みや問題に関する場合もあり、養護教諭の先生と一緒に聴いたりしています。
また、SCの活動には、生徒さんだけでなく、保護者の方の支援も含まれます。
生徒さんの相談に比べて断然少ないですが、必要に応じて対応させていただいております。
また、養護教諭の先生方から学校の様子について伺い、話し合うことも大切な時間になっています。
SCは毎日学校にいるわけではないので、先生方からのお話は、SC活動を円滑に行うためにも必要不可欠です。
必要に応じて教員の先生方ともご相談させていただくこともあります。
次に「スクールカウンセリングの必要性」についてです。
一橋高校のように、一校に3人のSCがいることは大変稀なことです。
複数いることのメリットは、生徒さんが都合の良い曜日を選びやすいこと、相談しやいと思えるSCを選べること等があります。
高校生の時期は、多くの生徒さんにとって心身共にとても不安定な時期です。
自分の過去のことで思い悩んだり、将来についてはっきりとしたイメージが持てずに、苦しい思いをすることもあります。
しかし、そうした時期は多少なりとも誰もが体験することであり、必要なことでもあります。
そんな時に、例えすぐに解決できないことでも、話を聴き共に考える存在がいることはとても大きいのではないかと思います。
SCとして、できる限りそのような存在になれるよう、また、生徒さんが気軽に話しに来られる場所となれるよう一層努力して参りたいと思っております。
今後とも、ご理解と協力の程よろしくお願い申し上げます。
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